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激動のネパールをめぐる旅

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 2025年3月20日から24日にかけて、私の所属する法律家団体の一つである日本国際法律家協会主催(以下では「国法協」と略します)のスタディツアーに参加して、ネパールへ行ってきました。  ネパールは、インドと中国に挟まれ、エベレストを含むヒマラヤ山脈を北に臨む内陸国です。面積は北海道の約1.8倍、人口は約3000万人です。  この国の進歩的法律家の団体であるPPLA(Progressive and Professional Lawyer’s Association、進歩的職業法律家協会)から招待され、国法協会長ほか総勢13名での旅行でした。  1日目は、エベレストを飛行機から眺めるフライトツアー、カトマンズの南隣パタンにある高等法院の訪問、ネパールで最初に設立されたという法律事務所の訪問、同事務所の弁護士を交えての昼食会、世界遺産であるダルバール広場とスワヤンブナート寺院の観光、PPLAの皆さんとの夕食会でした。  2日目は、ネパールではリゾート地として有名なポカラへ移動し、近郊の村へ立ち寄って暮らしの説明を受けた後、サランコット村で展望台へ登ってアンナプルナを観て、パタレチャンゴの滝を観て、グプテシュワール・マハーデヴ洞窟へ潜り、さらに日本山妙法寺が建てた仏塔に寄りました。夜はポカラの街を歩いて見つけたチベット料理のレストランへ皆で入り、「モモ」と呼ばれる餃子のような料理やネパール産のビールを楽しみました。 3日目は、早朝から別の展望台へ登ってアンナプルナの向こうから現れる日の出を観た後、ペワ湖でボートへ乗り、カトマンズへ戻ってネパール最大の仏塔であるボダナートへ行きました。夕方、ネパール人労働者の送り出し機関を訪問し、代表者の方とカトマンズ市内のレストランで夕食を取りました。  4日目は、前日と別の送り出し機関を訪問した後、帰国の途につきました。  盛りだくさんの旅行で学ぶことも多かったのですが、紙幅の都合でさわりだけとします。皆さんのご希望があれば、また書きます。 弁護士 川津

再審法改正を!

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 雪冤(せつえん),という言葉があります。無実の罪を晴らすという意味です。私たちの多くは一生,使う機会のない言葉です。  静岡4人強盗殺人・放火事件(いわゆる「袴田事件」)について,最高検察庁がまとめた報告書は,検察官が,第一次再審請求から約30年間も経過してようやく「五点の衣類」のカラー写真等の開示に応じたり,再審開始決定に対して即時抗告をしたため,再審公判開始までに約十年も要したことについて、検察官の対応には問題がなかったとしています。しかし再審の具体的な手続規定がないため,検察官の対応が問題視されることなく手続が長期化したといえます。  そこで,刑事訴訟法に再審の手続規定を定める(これを「再審法改正」と呼んでいます)ための運動が,全国で高まっています。  岐阜県弁護士会では,県市町村議会および首長に,再審法改正の賛同・意見書採択の働きかけをしています。現在(2025年3月時点)、県議会を含む22の議会で意見書が可決され、過半数に達しました。また,21名の首長から賛同署名が出されています。  飛騨地方では,2024年9月に飛騨市長,11月に高山市長,2025年3月に白川村長が賛同して下さり,高山市議会,飛騨市議会,白川村議会から,賛同署名をいただいています。  昔のようなひどい取調べはなく,DNAで科学的に犯人が分かる時代だから,えん罪はもう起きない…と言いきれるでしょうか。日弁連が支援し、2010年以降に無罪が確定した件は7件,いまも続いている再審事件は11件あります。  袴田さんのように雪冤に50年も費やすような刑事手続は,私たちの代で改める責任があると考えます。 弁護士 漆原