「税金とわたしたちのくらし」

2024年5月18日、岐阜県民主商工会事務局長の早野幸広さんをお招きして、ひだ法律事務所友の会第10回総会記念講演会を開催しました。

早野さんは、消費税は、事業者が代金に含める付加価値税であって「預かり税」ではなく、消費税法には消費者が負担するとは定められていないと説明されました。なお、「預かり税」でないことは、2023年2月10日衆議院内閣委員会で、当時の金子俊平財務大臣政務官がはっきり認めています。

インボイス制度の導入により、課税売上高が一千万円以下であっても、適格請求書発行事業者となれば消費税納税義務が生じます。

仕入税額控除を受けたい課税事業者はインボイスを発行できる事業者との取引を望むため、消費税の支払が免除されない適格事業者にならざるを得ず(または、消費税相当額の値引きを強いられ)、零細事業者に対する事実上の増税になっています。欧州諸国はもっと税率が高いと言われますが、食料品、水道水、医薬品、新聞、書籍、芸術など、生活必需品には広く非課税もしくは軽減税率が適用されているとのことです。輸出大企業ばかりを優遇せず、零細業者のくらしを守るためには、消費税のありかたを見直す必要があると学びました。

弁護士 漆原