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ひだ法律事務所

2014年2月3日月曜日

創立記念行事のご報告

記念講演は、会場いっぱいの参加者110人!




 鈴木教授は、24ページにわたる詳細な資料に沿って、農林水産省に在籍した経歴などから知り得たTPP交渉の生々しい内幕にも触れつつ、ときにユーモアや皮肉を交えながら、TPP推進論の根拠は多くが嘘とごまかしであることを暴き、豊富な知識と研究成果に基づいて、TPPが日本の国民の利益を大きく損なうことを強調されました。

 鈴木教授は、遺伝子組み換え食品の危険性について、遺伝子組み換えトウモロコシのラットに対する給餌実験でラットに癌の発生が確認されたこと、その後1年以上が経つのに新たな実験が行われていないことを、ラットの写真とともに紹介されました。

  また、米国からポストハーベスト農薬である防かび剤の表示義務をなくすように要求されていること、TPPにおいては地産地消運動などによる産地の表示が米国産農作物を差別するものとされる可能性を指摘されました。

  景品表示法という法律がありますが、消費者庁のHPでは同法について、「実際より良く見せかける表示」「につられて消費者が実際には質の良くない商品やサービスを買ってしまい不利益を被るおそれがあります」「より良い商品やサービスを自主的かつ合理的に選べる環境を守ります」などと説明されています。

 私の経済学の知識では、市場経済はより良い商品が買われて悪い製品は淘汰されるので合理的とされていたはずですが、TPPでは消費者の選択が合理的になる表示は抑制されるのでしょうか。

  また、学校給食では地域で採れた食材が使われているのも参入障壁とされていること、これをやめない場合、ISD条項で日本政府が損害賠償を払わされることも説明されました。

  地産地消運動は、農業だけの運動ではなく、地域の経済全体に関わる運動と私は考えますが、学校給食の安全性など子どもたちの未来を奪うような結果を容認し、農業や地域経済を破壊してまで得るべき利益が私たちに果たしてあるのでしょうか。

  鈴木教授は、「1%の1%による1%のための」TPPと表現されていましたが、残り99%の私たちには、まさに何のプラスもないということが実によくわかる素晴らしい講演でした。(報告:川津聡)